Cerevoから新しく発売される映像配信機器のLiveWedgeを発売前の体験会で触ってきたのでレポートします。

Cerevo LiveWedgeとは

Cerevoが新しく発売する映像スイッチャーとPCレス配信を両方兼ね備えた新製品です。
Cerevoといえばパソコン無しでも高品質の配信が可能と話題のLiveShellを出している会社です。

LiveWedgeの製品発表からおよそ1年が経過しているため、この発売の発表を楽しみにしていたユーザーも多いようです。

製品の使い方

製品をどうやって使うか、操作するかなどの基本的な事についてはGIGAZINEにて体験レポートが載っているので新たにここで同じことを書くよりも、GIGAZINEの記事を見たほうが伝わるかと思います。

複数のカメラを1台で切り替えつつ映像配信できる「LiveWedge」を発売前に使ってみたレビュー – GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20150121-livewedge/

触ってみた感想

今日(1月21日)、製品の発売発表があり、今までの発表よりも強化された部分、後日アップデートで対応する部分などの発表がプレス向けに行われました。

今回一般ユーザーでも入れる体験会に行ってきましたので、レポートしたいと思います。
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操作アプリはこんなカンジ。
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バグが多い

触ってみた感想として第一に感じたのは、まだまだ潰しきれていないバグが多いところです。

これに関しては積極的にファームウェアアップデートを行っていくそうなのですが、出荷後でも細かい頻度でバグを潰すファームウェアアップデートが行われて欲しいと思います。

また、今回の体験会で発生したバグや不具合などは、発売となる1週間後のファームウェアアップデートで対応できればとのことでした。

今回の体験会で発見したバグ
  • プレビューのソースを拡大しようとすると、プレビューやプログラムにノイズが乗ったりフリーズしたりする
    担当者曰く様々な機器からの入力に対応したため、このバグが発生しているかも…
    今回の体験会で結構多く見たけたし、プログラムが乱れて致命的なので直して欲しいところ。
  • 本体機器の操作を受け付けなくなる
    発生原因は不明ですが、操作アプリからは操作できるのに本体機器のボタンを押してもトランジションしなくなるバグがありました。

  • 操作アプリの音声ディレイのスライドバーが画面外に行く
    ちょっとした不具合ですが、アプリの再起動が必要になります。

現場向け仕様じゃない

これはおそらくバグではないけど、現場で使うには不便だろうと思う点もいくつかありました。

  • 音声レベルが入力をONにしないとわからない
    プログラムに音声を流さないと入力機器の音声がどのくらいのレベルで入っているかが確認できませんでした。
    入力機器のレベルを確認してスイッチャーで調節してから音声をプログラムに載せるということが想定されていない気がしていました。

  • 音声レベルの出力値が具体的じゃない(db表記して欲しい)
    入力機器の音声のレベルが今どのくらいの音量で入っているのかがバーで確認できるのですが具体的な値がわかりませんでした。

  • 現在表示しているソースを選択するとブラックになる
    例えば現在「1」を選択している時にもう一度「1」を選択するとそのままではなく黒い画面になります。
    慌ててボタンを押した時に真っ暗になり更に慌ててしまいます。

  • フェーダーを戻そうとしても前の動きには戻らない
    LiveWedgeのアプリはよくある1つのトランジションのフェーダーではなく4つのフェーダーが操作アプリにあるので、すぐに目的の映像を出力できます。
    しかし、そのためフェーダーを逆向きに動かしても元の画面には戻らないことがあるのです。
    言葉にしにくいですが、例えば「2」を100%に上げようとすると現在選択されている「1」は0%に下がります、そこで「1」が0%になったタイミングで上げても「2」の映像は出てきません。
    これは、4つのフェーダーでは仕方ないことですが、少なくとも画面をタッチしている間は元に戻せるようにして欲しいです。

接続機器との相性

Inter BEEから進化した部分もあるそうで、特に力を入れた部分が多くの機器に対応したということです。
今回の体験会でいろんな持ち込み機材があったのですが、すべて表示された印象でした。

自分が持ち込んだのはATEM Television Switcher、XA25ですが、中にはGoPro 4KやiPhoneをつないでいる人もいました。
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Chromecastをつないでいる人もいましたが、HDCPには対応していないのでゴニョゴニョすると映ったとか。

排他処理に関して

PinPやSDカードの再生処理は排他になります。

PinPを利用している間、そのソースはスケーリングされたソースになるため元サイズのソースを映すことはできません。
また、SDカードから動画再生している際は4番目の入力がSDカードの映像再生のソースになるようです。

ハードウェア的にも限界を攻めているらしく、SDカードの機能を使うと制限される機能もあるらしいです。

まぁこの価格帯では頑張っているので仕方ないと思います。

LiveWedgeは買いか

LiveWedgeは現在95,237円(税抜)で公式サイトで販売されています。

およそ10万円でHDMI4入力のミキシングやPinP、SDカードへの録画やPCレス配信ができることから、LiveWedgeは買いだと思います。
今のところ、不具合や問題点も多いですが、今後ファームウェアアップデートで改善されていくことを期待します。
なので、すこし迷っている方は製品が出てからしばらく様子を見るのもいいと思います。

同価格帯でBlacmagic DesignのATEM Television Switcherがありますが、双方でメリットとデメリットを補っている感じがします。
例えば、TVSはアナログの音声入力がない、PinPができない、アプリでプレビューできないなど、LiveWedgeはSDI入力がないなど。


ちなみに自分はこの製品を先行予約で買ったのですが、とりあえずスイッチングはATEMでやり、PCレス配信と録画目的で使おうかと思います。(使ったらまたレポートします)