11月22日(金)、23日(土)と東京ミッドタウンで行われたSFC研究会の成果発表会であるOpen Research Forum 2013のレポートです。
Open Research Forumとは
Open Research Forum略してORFとは、SFCの研究会が一同に集まり、1年間での研究や調査の成果を発表する場所、いわば研究会の学園祭のようなものです。
慶應義塾大学SFC研究所|SFC Open Research Forum 2013 – 創のbazaar / top
実は、行ってきましたというよりも裏方でネットワークの設営作業の雑用をしていたんですけどね…
Make:的なノリに近く、みんな大好きAR.Droneもあります。
個人的に気になった作品
個人的に気になった作品を幾つか紹介していきます。
超低遅延ビデオ会議システム(村井純研ARCH)
いかにも自分の趣味な範囲。こちらは、FPGAボードをつかってビデオカメラから送られてくるHDMI信号をリアルタイムにRGB/YUV変換しているデモです。
インターネット回線を使ったストリーミングでは、映像の遅延が問題になりますが、その問題を解決しているのがこれです。
ほとんどの遅延を感じず、じゃんけんをこの画面間で行うことも出来ました。このデモの隣にはSkypeでの通常のビデオチャットが展示してありましたが、比べ物になりません。
このシステムとSkypeともにローカルでの接続環境ということでしたが、実際に光通信が整備されているところであればほぼ今回の展示と同じ程度の遅延で通信できるとのことでした。
今回のデモ
FPGAボード
技術的な仕様など
WebRTC Framework(W3C)
こちらもまたまた自分の趣味の範囲ですが、WebRTCを使ったスマホからのストリーミングのデモがおいてありました。
WebRTCだと既存の技術のままなのですが、今回はNTTとW3Cと共同でWebRTCを便利に扱えるフレームワークを開発するそうです。さらに開発されたフレームワークはGithubにて公開されるそうで、楽しみです。
また、WebRTCを使ってテキストを送るサービスも展示していましたが、マイクに向かってしゃべると自動的に日本語入力をしてくれるというもので、これが意外に精度高いです(GoogleのAPIを使っているのだそう)。
WebRTCについてNTTの方とかなり長く話していたのですが、やはりブラウザやデバイスによって対応している方式が異なり、策定も大変なんだそうで。
スマホからのストリーミングのデモ
マイクから日本語入力してくれるチャットのデモ(こんにちは、今日はいい天気ですね、東京ミッドタウンではORF2013というイベントが行われていますと喋ってみた)
技術的な仕様など
金魚すい(A&T)
こちらは、A&T(Art & Technology)の展示。学内で春あたりから集まった有志(電子工作を知らなくてもOK)が作った作品です。
よく縁日である金魚すくい、ではなく金魚すい、はその名の通り金魚を吸ってしまうというもの。
スポイトのようなデバイスを画面に当てながら、スポイトで吸い取るように金魚を吸い取ることができます。金魚を吸い取るとスポイトから金魚が跳ねるような音と振動が伝わってくるところまで細かく作りこまれていました。
しっかりとネームプレートまであります
意外にクセになります
3Dプリンタ(田中浩也研)
SFCで「モノづくり」といえば田中研ですが、今回は3Dプリンタの展示が行われていました。
3Dプリンタといってもただの3Dプリンタではなく、自作3Dプリンタです!
10万円程度で作ったというこの3Dプリンタですが、精度は現在SFCのメディアセンターに置かれている3DプリンターのCubeよりも断然精度が高く仕上がりも綺麗です!
将来的にはメディアセンターに置くことも検討しているそうで、期待が高まります!
3つの柱があればどこでも作れるそうで「メディアセンターの柱自体を使って巨大3Dプリンターを作りたい」と田中先生は仰っていました。
電子手芸(田中浩也研)
電子工作と言われると、ギーク感が漂いますが、この展示はギーク感とはおさらばして手芸をしている間隔で電子工作ができるというもの。
音を鳴らす、光を付けるなどの動作が1つのフェルト生地になっていて目的に応じたフェルトを選んで遊ぶことができます。
ぱっと見ると手芸をしてるっぽい?
縫っている糸は電気を通す糸で、コンセントをソケットに指すと光が点灯する
可変抵抗などもギーク感のあるものではなくチャックなどを利用して可愛らしく
Wi-Fi Location System(村井純研)
今回CiscoさんとKoozytさんの協力によって会場内に置かれた複数のアクセスポイントから特定の人(端末)の位置を特定するというデモをしていました。
端末から会場内に置かれたアクセスポイント同士に接続する電波強度を測定し、常にデータベースに記録していることにより、会場内の位置を特定できるというもの。また、接続している端末が多いほど赤く表示されるヒートマップもありました。
画面には村井純教授と中澤仁教授の居場所が表示されている
村井純教授が実際に見に来たところ
まとめ
今回この記事だけでも結構な量になってしまいましたがまだまだ紹介しきれていないブースはたくさんあります。
見に来ている人は同じSFC生、企業の方々が多いといった感じでした。中にはSFCを志望に考える高校生の姿もありました。
ORFは、毎年11月下旬に開催していますので来年こそは行ってみてはどうでしょうか。